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9月 02, 2018
<沖縄県は三十一日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の移設先、名護市辺野古(へのこ)沿岸部の埋め立て承認を撤回した。移設工事は即時中断となり、防衛省沖縄防衛局は効力停止を求め、法的対抗措置を講じる方針。九月三十日投開票の県知事選を前に、移設を巡り県と国が全面対立する事態となった。
八月八日に死去した翁長雄志(おながたけし)知事が生前に「(辺野古に)新基地は造らせないとの公約実現に向け全力で取り組む」として、撤回の手続きに入る意向を表明。撤回権限を委任された謝花喜一郎(じゃはなきいちろう)副知事は、県庁で記者会見し「翁長知事の熱い思いを受け止め、法に基づき適正に判断した。新基地建設阻止に向け全力で対応する」と強調した。
小野寺五典(いつのり)防衛相は記者団に「防衛局が理由を精査し必要な法的措置を取る」と述べ、時期は知事選日程には左右されないとの考えを示した。裁判所が防衛局側の主張を認めれば工事再開が可能で、既に県に通知済みの辺野古沿岸部での土砂投入にも着手できる。
県はその場合、裁判所に判断を不服として、沖縄の過重な基地負担を訴え、工事停止などを求めることを検討する。
謝花氏は撤回理由として、行政指導を重ねても国が是正せず、工事の違法状態を放置できないことや、移設先の軟弱地盤の発覚、サンゴを含む環境保全措置の不十分さなどを挙げた。
承認撤回は、県による八月九日の防衛局の聴聞に関する報告書が同二十日に完成し、条件が整っていた。
移設を巡っては、二〇一三年に当時の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事が出した承認を、法的な瑕疵(かし)があるとして翁長氏が一五年十月に取り消した。一六年十二月に最高裁が取り消し処分は違法と結論付けたため、政府は工事を再開、護岸で囲った海域への今年八月十七日以降の土砂投入を通知した。「撤回」は、承認後の事情の変化を理由に行う措置>(以上「東京新聞」より引用)
国策と地方自治との関係はいかにあるべきか、という国の形の根本が問われている。沖縄は国政選挙で度々示されてきた県民の意思を国が無視した形で「国策」たる米軍基地存続を強引に進めてきた。
ただ一度だけ民主党政権下の鳩山内閣時代に「最低でも県外」と普天間基地移設先を唱えて、基本的に沖縄県から米軍基地を削減しようとしたことがあった。その鳩山氏の意思は間違っていなかったが、官僚や他の外務大臣・岡田氏などの閣僚たちが官僚の手下となって「米国が普天間の移設先として辺野古を希望している」と嘘の情報を捏造して鳩山氏に「最低でも県外」を断念させた。
辺野古沖移設は「ありき」と既定事実化する官僚たちの思惑で進められた。日本国民、ことに沖縄県民の意思とはかけ離れたところで進められ、沖縄県民の辺野古沖移設反対の声を背景ら当選した元沖縄県知事の仲井眞氏が彼の知事任期切れ直前に「埋め立て許可」を政府に通達するという「裏切り」行為をしてしまった。
その背景には政府による沖縄開発特別補助金3000億円という札束で頬を張るような国の圧力があった。しかし辺野古沖移設云々とは別に県民所得の低い沖縄に産業振興策を講じるのは国として当然のことではないのか。辺野古沖移設と取引するかのような特別開発補助金3000億円とはいかにもアコギな金満家の手法ではないだろうか。
沖縄県知事が「公有水面埋め立て許可」を出したために始まった辺野古沖埋め立て事業を沖縄県知事が「許可」取り消しをしても行っても事業は止まらない、と判断した最高裁は果たして憲法の番人なのだろうか。政府の番人に堕してしまったかのようだ。
実は地方自治と国策との関係を是正する強力な力としてマスメディアが鍵を握っている。本来なら正しい情報を国民に報道して判断を国民に委ねるのが民主主義本来のあり方だ。たとえば福一原発事業で放射能汚染された地域への帰還を進めている国と福島県は地域住民つまり国民の安全を確認しているのか、という問題がある。
安全基準とした年間放射能被爆1ミリシーベルトは世界基準としては常識外れだ、という現実をマスメディアは殆ど報道しなていない。そして各地の放射能汚染度を全く報道しなくなったのはなぜだろうか。
現実は、福一原発から現在も放射性物質は絶え間なく放出されている。地下に一塊となった核燃料は臨界を繰り返して放射性物質を噴出している、という証拠となる核種を測定している。しかし、福一原発による放射能汚染を日本のマスメディアは現在では全く報道していない。だから何となく「安全」になったのか、と避難した地域住民は勘違いして「帰還解除」報道を鵜呑みにして帰郷させられている。本当に安全なのか、マスメディアはなぜ殆ど何も報せないのだろうか。地方住民と国策との関係は国策最優先であってはならない。
沖縄の問題はすべての日本国民の問題だ。比喩として言っているのではない。なぜなら日米地位協定で事実上日本は米軍の占領下にあるからだ。明日、東京のタワーマンションに米軍用機が衝突しても日本に事故現場確保の権限すらない。もちろん日本の航空局による事故調査員が立ち入ることも出来ない。こうした馬鹿げた現実にいつまで「日本を米軍様が守ってくれているから仕方ない」との集団催眠の呪術に眠らされているのだろうか。
米軍基地を地域住民の力で日本から追い出す第一号に普天間基地返還をすべきで、代替基地として「辺野古基地」を米軍に献上すべきではない。何度もこのブログに書いてきたが、米軍は日本を守るために日本に駐留しているのではない。日本を占領するために日本に駐留している、のだ。それは米国本土の防衛に資すると同時に、米国の世界支配の「踏み石」として日本が地理的に絶好の位置にあるからだ。それと日本の工業技術力と治安の良さが米軍の駐留に他のどの国よりも良いからだ。
ぜひ全文10条までしかない日米安全保障条約を一読されることをお勧めする。そうすれば日本の防衛のために米軍が日本に駐留している、というのが「嘘」だと解るだろう。
なぜなら日本が米軍基地以外を攻撃された場合、直ちに米軍が反撃する仕組みになっていないからだ。米軍が日本に侵攻した第三国と戦うには米国議会の同意が必要だと明記してある。米国議会は米国の国益にならない参戦に同意するはずがない。つまり米軍は米国民の安全と米国益のために日本に駐留しているのだ。
そうした簡単な理屈すら報道しない日本のマスメディアは腐り切っている。米軍は米国の安全保障のために日本に駐留している。それを誤魔化すために日米安全保障というレトリックを用いて日本国民を欺いている。
沖縄県知事選で「オール沖縄」候補の玉城氏が当選することを願う。そして地方自治と国策とのあり方を日本国民すべての問題として突き付けなければならない。ことに日本の防衛は日本国民が担う、という当たり前のことを日本国民は強く認識すべきだ。日本の真の独立を果たすためにも、戦後日本を支配してきたGHQ体制を完全に終わらせなければならない。
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